これまで2回にわたって、OpenAIの「GPT-6 Astra向けガイド」と、Anthropicの「Agent Skills構築のベストプラクティス」をご紹介してきました。実はこの2つ、伝えているタイミングが違うだけで、根っこにある問題意識はとてもよく似ています。今回はその対比を整理してみます。

OpenAIは「減らせ」、Anthropicは「絞れ」

まず、それぞれのメッセージをひと言でまとめると、こうなります。

OpenAI(GPT-6 Astra向けガイド)
「これまで積み上げてきた指示やマニュアルを、いま一度棚卸しして、減らしなさい」

すでに運用している業務フローや、AIツール導入時に作ったルールが対象です。モデルの世代が上がって判断力が向上したのに、古いルールをそのまま残しておくと、かえって足かせになる。だから「後から見直して、削れ」というメッセージです。

Anthropic(Agent Skills構築のベストプラクティス)
「そもそも、最初から必要な分だけに絞って設計しなさい」

こちらはこれから何かを作る人向けの話です。AIに業務ノウハウを渡す資料(Skill)を作るとき、いきなり網羅的なマニュアルを書き始めるのではなく、具体的な使用場面を2〜3個特定してから、必要な情報だけを渡す設計にする。つまり「最初から絞って作れ」というメッセージです。

タイミングは違うが、問題の本質は同じ

一見すると、片方は「既存のものを見直す話」、もう片方は「新しく作るときの話」で、対象のフェーズが違います。しかし、根っこにある問題意識は同じです。

「情報を渡しすぎると、AIはかえって迷う」

これが両社に共通する前提です。人間だって、必要以上に細かいマニュアルを渡されると、かえって「結局何を優先すればいいのか」がわからなくなることがあります。新人研修のマニュアルが分厚すぎて、逆に現場での判断力が育たない、という話に似ています。AIも同じ壁にぶつかっているのです。

そう考えると、この2社のガイドは、実は同じ問題を「時間軸の違う入り口」から説明しているだけだとわかります。

  • 運用中のものは、定期的に棚卸しして減らす(OpenAI視点)
  • これから作るものは、最初から絞って設計する(Anthropic視点)

両方を組み合わせると、「作るときは絞る、運用しながら定期的に見直して減らす」という、一つのサイクルが見えてきます。

この視点は、AI活用の現場すべてに当てはまる

私たちSynQ Creativeは、進行管理(PM)を担いながら、社内にも制作(クリエイティブ)機能を持つハイブリッドな体制で案件を束ねています。制作フローのテンプレートやAI活用ルールを作る中で、まさにこの2つの視点の両方が必要だと感じる場面が多くあります。

たとえば、SNS投稿の生成プロンプトも、進行管理用のチェックリストも——最初から完璧な形で作ろうとして、あらゆるケースを想定した分厚い資料になりがちです。しかし、実際に使ってみると「使われない項目」「もう古くなった前提」が必ず出てきます。社内外の人が関わる分、こうしたズレは放っておくと余計に拡大しがちです。

だからこそ、

  • 新しく作るときは、具体的な使用場面を絞ってから設計する(Anthropic的な視点)
  • 運用が始まったら、定期的に「今も本当に必要か」を見直す(OpenAI的な視点)

この両輪を回すことが、AIに限らず、制作フローやマニュアル設計そのものの質を高めることにつながります。

AI活用の「作り方」と「見直し方」、両方サポートします

「これから制作フローやAI活用ルールを作りたい」「すでにあるルールが古くなっている気がする」——どちらのタイミングでも、SynQ Creativeはお手伝いできます。

SynQ Creativeでは、PM(進行管理)と内製クリエイティブを組み合わせたハイブリッドな体制で、HP/LP制作・SNS・動画運用の案件を進めています。案件を束ねる裏側の仕組みづくりにご関心があれば、ぜひ一度SynQ Creativeにご相談ください。