連載「AIと『判断が育つ』仕事環境づくり」第3回

この記事でわかること

  • 4つのツールの役割分担(Notion・GitHub・Obsidian・Eagle)
  • 置き場所は「ファイルの種類」ではなく「次に何に使うか」で決める
  • 「置いた」「届いた」「AIが読めた」は別々に確認が必要

前回(第2回)は、Mac miniを「仕事の母艦」にして、複数のMacを同期するところまでを書きました。今回は「じゃあ何をどこに置くの?」という話です。

ツールが増えるほど、分からなくなる

環境を整えていくと、次の問題が出てきました。

Notionがある。GitHubがある。Obsidianがある。Eagleもある。ChatGPTもClaude Codeも使う。

便利なツールは増えたのに、

「これ、どこに置けばいいんだ?」

が分からなくなるんです。

全部Obsidianに集める方法もあります。全部Notionに寄せる方法もあります。でも僕は、無理に一元化しないことにしました。それぞれ役割が違うからです。

家にたとえると分かりやすいかもしれません。冷蔵庫、本棚、アルバム、日記帳。全部を一つの箱に入れたら、かえって何も見つからなくなりますよね。

Notion =「今の仕事を動かす場所」

Notionには、いま進んでいる仕事があります。

  • プロジェクト
  • タスク
  • 企画
  • 進行状況
  • 関係者と共有する情報

つまりNotionは今の仕事を前に進める場所。ここにあるのは「現在」です。

GitHub =「案件で実際に起きたことの記録」

Web制作などの案件は、GitHubで管理しています。

ここに残っているのはコードだけではありません。

  • いつ、何を変更したか
  • 何を直したか
  • 一度つくったものを、なぜ元に戻したか
  • どんな不具合が起きたか

変更の履歴(コミット履歴)まで含めると、GitHubにはその案件で実際に起きたことがかなり残っています。

だからGitHubを単なる「コード置き場」ではなく、案件の記録帳として考えるようになりました。

Obsidian =「案件を超えて使える判断」

一番悩んだのが、Obsidianに何を置くかです。

最終的には、案件を超えて使える、自分自身のKnowledge(知識)を置くことにしました。

ある案件の仕様をそのまま入れるのではありません。「この案件ではこうした」という記録でもありません。複数の仕事で使える、

  • 「こういうときは、ここを確認する」
  • 「以前、この判断で失敗した」
  • 「この条件なら、こう考えたほうがいい」

といった知識です。

GitHub   = 案件の記録(何が起きたか)
Obsidian = 案件を超えた判断(次にどう考えるか)

GitHubが「日誌」なら、Obsidianは日誌から抜き出した「自分だけの教科書」のようなものです。

最初からこの分担だったわけではない

実は最初、KnowledgeもNotionで管理しようとしていました。Notionにはすでに「Knowledge Base」というページがあり、手引書やテンプレート、教材などを置いていたんです。

でも、Obsidianを使うと決めたからといって、それらを全部移せばいいわけでもありませんでした。

改めて棚卸しをすると、同じ「知識っぽいページ」の中にも、役割の違うものが混ざっていました。

ページの例中身置き場所
WordPress構築手引書過去の案件から得た判断や失敗の知見Obsidianの既存Knowledgeと照らし合わせる候補
実施日や次回メモのあるカリキュラム今の仕事を進めるための記録Notionに残す
教材の完成原稿教材そのものNotionに残す(ただし「他の研修でも使える判断の型」だけはKnowledgeとして取り出せる)

この段階でやったのは棚卸しまでで、すべての移行が終わったわけではありません。

それでも、一つはっきりしました。

置き場所は、ファイルの種類では決められない。「その情報を次に何のために使うのか」で決める。

Eagle =「目で考えるための記憶」

Eagleは少し毛色が違います。

デザイン、写真、構図、パッケージ、Webサイト、広告。僕の仕事では、

  • 「これに近い雰囲気」
  • 「この構図がいい」
  • 「この質感を参考にしたい」

といった、言葉だけでは扱いにくい情報がたくさんあります。それをためておくのがEagleです。僕にとっては目で見るKnowledgeの置き場所に近い存在です。

将来的には、Eagleの素材をAIから参照できるようにすることも構想に入れています。ClaudeなどのAIが素材を検索できるようになれば、「自分が過去に集めた参考資料を、AIと一緒に見る」ことができる。ここにはかなり可能性を感じています。

全体像:全部を一つにしない

最終的な整理はこうなりました。

ツール役割
Notion今の仕事を動かす
GitHub案件で起きたことを残す
Obsidian案件を超えて使える判断を残す
Eagleビジュアルの経験・参考資料を残す
SyncthingObsidianやEagleのデータを端末間で同期する
AI必要なものを読み、探し、比べ、次の仕事へつなぐ

一元化ではありません。

役割を分けたうえで、AIが横断的につなぐ

という考え方です。

GitHubに置いたからといって、AIが読めるとは限らない

役割を分けると、次は「ちゃんとつながっているか」の確認が必要になります。

Claudeでは、Obsidianへの接続先を直して、新しい保存場所につながったことを確認できました。

一方、ChatGPTからは、GitHubにバックアップしたObsidianのメモを読む方法を試しました。ここでも、「GitHubのリポジトリ(保存場所)につながること」と「Knowledgeの中身を検索できること」は別の話でした。

リポジトリ自体は見えるのに、Knowledgeを検索しても結果が出ない。調べると、そもそも最初はKnowledge/フォルダがGitに記録(commit)されていなかったんです。

その後、GitHubへの送信は成功し、ブラウザでもフォルダを確認できました。ただ、ChatGPTからKnowledgeの本文を検索・参照できるところまでは、この時点ではまだ確認できていません。

ここで学んだのは、次の3つを分けて確認することです。

  1. 置き場所を決める
  2. そこへ実際に届いているか確かめる
  3. AIから実際に読めるか確かめる

でも、ObsidianのKnowledgeは誰が書くの?

ここまで整理すると、新しい問題が出てきます。

GitHubには大量の経験が残っている。でもそれを毎回自分で読み返して、「この案件から得た学びは……」とObsidianにまとめるのか。

正直、たぶんやらなくなります。最初の3案件くらいは頑張って、そのうち面倒になって終わる。

だったら、

案件の記録をAIに読ませて、Knowledgeの候補を取り出してもらえばいいのでは?

ここで初めて、Claude Codeを使った仕組みづくりが始まりました。

まとめ

  • ツールは無理に一元化せず、役割で分ける
    • Notion=今、GitHub=記録、Obsidian=判断、Eagle=ビジュアル
  • 置き場所は「ファイルの種類」ではなく「次に何のために使うか」で決める
  • 「置いた」「届いた」「AIが読めた」は別々に確認する
  • Knowledgeを人力で書き続けるのは難しい → AIに候補を出してもらう発想へ

次回:第4回「案件が終わったら、AIに『何を学んだ?』と聞く仕組みを作った」