Mac miniを仕事の「母艦」にしてから、困ることがひとつありました。

「家の外にいるとき、Mac miniの中身をどうやって触るか?」

Obsidianのvault、Eagleのライブラリ、自作のスキル。大事なものはだいたいMac miniにあります。でもMacBook Proを持って外に出ると、それに手が届きません。

そこで今回、TailscaleをMac miniにも入れました。MacBook Proにはもう入っていたので、これで2台が同じネットワークでつながるはずです。

結論から言うと、つながりました。

ただ、途中で何度か「え、それどういう意味?」となりました。今回はそのつまずきも含めて残しておきます。


Tailscaleって何をしてくれるのか

一言でいうと、自分のパソコン同士だけを結ぶ、専用の通路です。

家のWi-Fiでも、カフェのWi-Fiでも、スマホのテザリングでも関係なく、同じアカウントでログインした機械同士が、まるで同じ部屋にいるかのようにつながります。

MacBook Pro(外出先)
      ↓
  Tailscaleの通路
      ↓
Mac mini(家・常時稼働)

ルーターの設定をいじる必要もありません。各Macにアプリを入れて、同じアカウントでログインするだけです。


つまずき① 「ターミナルで」って、何を打つの?

インストールしたあと、Claudeに確認の方法を聞きました。返ってきたのはこれです。

ターミナルで tailscale status を打つと確認できます

……ターミナル。

名前は知っています。黒い画面のアレです。でも正直、「ターミナルで」と言われても、何をどこに打てばいいのかがすぐには分かりませんでした。

聞き直して分かったのは、こういうことです。

  • ターミナルは、Macに最初から入っている文字で命令するアプリ
  • command + スペース で「ターミナル」と検索すれば開ける
  • 開いた画面に、命令をそのまま貼り付けて Enter を押す

さらにもうひとつ落とし穴がありました。Mac版のTailscaleは、初期状態だと tailscale status という短い命令が使えないことがあるそうです。確実に動くのは、アプリの場所まで含めたこちらでした。

/Applications/Tailscale.app/Contents/MacOS/Tailscale status

長いですが、コピーして貼るだけなので問題ありません。

実行すると、こんな一覧が出ました。

100.x.x.x   macbook-pro   macOS  -
100.x.x.x   mac-mini      macOS  -

mac-miniの名前が出ている=つながっている、ということです。

右端の「-」は「今は通信していない」という意味で、エラーではありませんでした。


つまずき② 本当に届いているのか?

一覧に出ているだけでは、まだ半信半疑です。そこで、MacBook ProからMac miniに「聞こえる?」と呼びかけてみます。

ping -c 3 mac-mini

結果は、3回送って3回とも返ってきて、取りこぼしは0%。

ちゃんと届いていました。

ただ、返ってくるまでの時間が95〜400ミリ秒と少し遅めでした。同じ家の中なら、普通は数ミリ秒で返ってくるそうです。最初の1回は経路を探すので遅くなりやすいことや、直接つながらずにTailscaleの中継を経由している可能性があるとのことでした。

画面を操作するくらいなら困らない速さなので、いったんこのまま進めます。


つまずき③ そのユーザ名とパスワード、どれ?

次は本命、MacBook ProからMac miniの画面を操作するです。

Mac mini側で「システム設定 > 一般 > 共有 > 画面共有」をオンにして、MacBook ProのFinderで command + K を押し、

vnc://mac-mini

と入力して接続します。

すると、こんな画面が出ました。

"mac-mini" にサインインするには、ユーザ名とパスワードが必要です。

ここでまた手が止まりました。

ユーザ名とパスワードって、どれのこと?

Tailscaleのアカウント? Apple ID? それとも別の何か?

正解は、Mac miniにログインするときのアカウントでした。電源を入れたときにロック画面で入れている、あのパスワードです。ユーザ名が分からなければ、Mac miniの「システム設定 > ユーザとグループ」で確認できます。

入力すると、MacBook Proの画面の中に、Mac miniのデスクトップが開きました。

接続できた。

これで、家にいても外にいても、Mac miniを手元のMacから操作できます。


常時稼働させるために、やっておくこと

つながったあと、Mac miniを「いつでも入れる状態」にしておくための設定も教わりました。

やること理由
ディスプレイがオフでもスリープさせない寝てしまうと外から入れない
停電後に自動で起動する電源が落ちても戻ってこられるように
Tailscaleをログイン時に起動再起動したあともつながるように
Tailscaleの管理画面で「Key expiry」を無効化放っておくと約半年で突然つながらなくなる

最後のひとつは、知らなければ半年後に必ずハマっていたと思います。


次にやりたいこと:スキルも母艦から配る

Mac miniには、自分で作ったClaude Code用のスキルが置いてあります。これをMacBook Proでも使いたい。

最初はTailscale経由でコピーするつもりでした。でも、コピーだと直すたびに送り直しが必要です。

そこで考えたのが、スキルの実体をObsidianのvaultに置いて、Syncthingで同期する方法です。

vault/.claude/skills/(実体) ←Syncthing→ vault/.claude/skills/(実体)
        ↑ リンク                                ↑ リンク
Mac miniの ~/.claude/skills/        MacBook Proの ~/.claude/skills/

こうしておけば、どちらかで直したスキルが、もう片方にも自動で届きます。この作業はこれからです。


今回いちばん学んだこと

振り返ると、つまずいたのはすべて「言葉は知っているけど、具体的に何をすればいいか分からない」ところでした。

  • 「ターミナルで」→ どのアプリで、何を打つのか
  • 「つながっている」→ 本当に届いているのか
  • 「ユーザ名とパスワード」→ どのアカウントのことか

技術の説明は、知っている人にとっては当たり前の言葉で書かれています。でも、初めて触る人が止まるのは、だいたいその「当たり前」の部分です。

これは、自分が講座や研修でAIやツールを教えるときにも気をつけたいところです。

分からないところは、恥ずかしがらずに「それって何?」と聞き直す。

今回は、それでちゃんと前に進めました。